猛烈な暑さが続く中、なんとなく疲れが取れない、体が重いと感じる方もいるのではないでしょうか?
なんとか体調を崩さず元気に夏を乗り切りたいところ。
そんなときにおすすめしたいのが発酵食品です。
発酵食品は昔から日本食に深く根付いており、現代の日常生活とも切り離せない存在。
味噌、醤油、みりん、納豆、漬物などがその代表例です。
これらの食品はただ美味しいだけではなく、発酵の過程で栄養価が高まり、健康に良い影響を与えることが知られています。
「発酵」とは、食品に微生物が増えることによって起こる変化のこと。その過程で、原材料には含まれないアルコールや酸などの新しい物質が作られ、味や栄養価が大幅に高まります。
キムチやピクルス、アンチョビなど、発酵は古くから世界中の食品を美味しくするために用いられる方法です。
食品を発酵することのメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
1.保存性の向上
発酵によって作られる酸やアルコールが食品の酸性度を高めます。
それによって、有害な微生物の増殖を抑え、食品が腐りにくくなります。
代表的な食品として挙げられるのが、味噌や醤油、漬物などです。
2.ビタミンやアミノ酸などの栄養素が増加
発酵によって、健康に良い影響を与えるビタミンやアミノ酸などの栄養素が増加します。
代表的なものに、大豆を納豆菌で発酵させてつくる納豆があります。
発酵によって、ビタミンK2が増加したり、血液をサラサラにしてくれる「ナットウキナーゼ」という栄養素があらたに生まれます。
3.消化吸収の促進
発酵の過程では、酵母や菌などの微生物が食物繊維やたんぱく質を分解し、体が吸収しやすい形に変えてくれます。
例えば、乳を発酵させてつくるヨーグルトは、発酵中に乳糖(牛乳の糖分)を分解して乳酸を作ります。
乳糖は、多くの人が分解するための「ラクターゼ」という酵素を体内に十分に持っていないため、消化されづらい成分です。
ですが発酵により、乳酸に変化することで、消化されやすくなるのです。
4.風味と香りを良くする
発酵過程で生成される化合物(例えば、アルコールやエステル類)が独特の風味や香りを生み出します。
チーズ、ヨーグルト、ワインなどが代表的な例です。
本来は胃酸に弱い乳酸菌も、発酵によって保護力が高まることも。
生きたまま腸に到達した乳酸菌は、腸内環境を整えることに役立ちます。
その特性を応用したプロバイオティクス飲料などの健康食品が開発され、販売されています。
食品は、発酵する過程で栄養素が大きく変化します。
たとえば味噌や醤油では、発酵によりアミノ酸やペプチドが生成され、これらが体内での消化吸収を助けてくれます。
さらに、発酵食品に含まれる乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があります。
発酵食品の健康効果を示す面白いエビデンスとして、「フレンチパラドックス」を紹介します。
フレンチパラドックスとは、「フランス人は肉類、バターやチーズなど、飽和脂肪酸を多く含む食材の摂取量が多いにもかかわらず、心臓病の発症率が低い」という疫学的な逆説を意味する言葉です。
この謎を解く鍵の一つが、フランスで広く摂取されている発酵食品「赤ワイン」にあります。赤ワインはブドウを発酵させて作られますが、この過程でポリフェノールが豊富に含まれるようになります。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、血管を健康に保つ効果があります。
そのためフランス人は、普段脂肪分の多い食事をしても、心臓病のリスクが低いと考えられています。
健康に良い効果をもつ発酵食品。
摂取することで様々な健康効果を得ることができます。
また、発酵食品には抗酸化作用があり、老化防止や美容効果も期待できます。
さらに、発酵食品はストレス軽減や睡眠の質向上など、精神面でも健康に良い影響を与えてくれます。
積極的に摂取していくことで、さまざまなメリットがあるでしょう。
味噌や醤油などの調味料は、私たち日本人にとっては馴染み深い発酵食品。
例えば自宅での食事を和食中心のメニューにしたりと、日々の食事で比較的手軽に摂取することができます。
しかし、食欲が減退しがちな夏は、しっかりと食事することが難しいときもあるでしょう。
そんなときには、野菜や果物などを酵母や乳酸菌などの微生物によって発酵させたドリンクがおすすめ。
発酵によって栄養価が高まった、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、アミノ酸などを一気に取り入れることができます。
ドリンクだから、食欲の落ちているときも胃腸の負担もありません。
自然発酵によって生まれた成分なので、そのまま善玉菌のエサとなり、お腹のキレイにも役立ちます。また、近頃は飲みやすい味の商品も多く売られており、毎日続けられるおいしさも魅力のひとつです。
気温の高い日が続きますが、積極的に発酵食品を取り入れてバテずに元気に過ごしましょう。