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友利新先生と山本未奈子が語る、更年期世代のカラダとココロと美容~40代からも美しく生きるために~(後編)

2023.6.5

新ブランド「SIMPLISSE THE BALANCE/シンプリス ザ バランス」の立ち上げとインナーケア製品2種の発売を記念し、ゲストには、内科医・皮膚科医の友利新先生をお招きしたトークセッション。
前編では、「“更年期、私はまだ”が落とし穴?!」「40代からも美しく生きるために一番大事なもの」について話し合いました。
後編のテーマは「更年期への理解を深めることで、社会はもっと良くなる」。
前編に引き続き、SIMPMLISSE THE BALANCE代表の山本未奈子と、ファシリテーターとして同ブランド商品開発責任者の中村千春を交えて語り合いました。

更年期世代の悩みを独自調査!浮き彫りになった実態は?

中村:「SIMPLISSE THE BALANCE/シンプリス ザ バランス」が35〜60歳の女性305名を対象に行ったアンケートをご覧ください。9割の方が「疲れやすい、疲れが取れない」、7割を超える方が「眠れない、寝つきが悪い、夜中に目が覚めてしまう」と感じているのが現状です。

 

山本:実は、日本は睡眠偏差値が低い国と言われています。東京に限っては、平均睡眠時間が5時間ぐらいです。

 

友利:眠れない街ですね。

 

山本:睡眠時間が短かったとしても、どうしたら睡眠の質を高められるか考えていきたいですね。

 

中村:先生は、最近になって睡眠の変化を感じられたことはありますか?

 

友利:私はどんなに悩み事があっても、どんなに忙しくてもベットに入れば3秒くらいで眠れるのが特技でした。けれど、ちょうど1、2年くらい前から眠れないようになってきて。

多忙なことも重なってなかなか眠れない時に、知り合いの専門医に相談しました。そこで処方してもらった睡眠薬で睡眠のサイクルを少し取り戻し、生活を変えたら眠れるようになりました。

 

中村:睡眠薬はできる限り飲みたくないというお声もありますね。

 

友利:睡眠薬にネガティブなイメージを持っている人は多いと思います。
副作用などが気になるのだと思いますが、睡眠薬は長期連用を念頭に置いた構造になっていますので、医師のもとで飲むものにはそこまで怖いイメージを持たなくても大丈夫。
もちろん、私も「積極的に睡眠薬を飲んでください」とはお伝えしないです。まずは、その手前のサプリメントだとか、自分の生活習慣を変えて睡眠に向き合うことからはじめてみると良いと思います。それでも改善しないときのために、睡眠薬の服用という選択肢があるということを覚えておいていただきたいですね。

 

中村:未奈子さんも以前、睡眠薬を飲まれてたことがありましたよね。

 

山本:そうなんですよ。うつ病になったときは、全然眠れなくて。眠れないことが、うつ病のきっかけだったと思います。そして2ヶ月くらい起き上がれない状態が続きましたが、回復したのはしっかり睡眠を取れるようになったからだと思っています。睡眠を最優先事項に考えるようになってからは、本当に元気になりました。
あとは、自分の生活習慣をしっかり見直して、「8時間寝ること」をしっかり組み込んでから他のスケジュールを入れていくようにしました。あとはお酒をやめる、寝室の環境を整えるなど、できる限り睡眠の質を上げるようにし、睡眠を最優先にしてベースを整えていきました。
その経験から、薬に頼らなくてもいいようにと商品開発にもつなげていったんですよ。

更年期への理解が深まれば、社会はもっとよくなる

中村:ここからは、日本で起きている更年期症状にまつわる問題に着目していきたいと思います。 女性の更年期症状による経済損失は、年間4,200億円と言われていますが、更年期症状など、更年期の体の不調が原因で離職をした女性はなんと46万人もいます。更年期症状のある方のうち9.3%、つまり10人に1人が仕事を辞めなくてはいけなくなったということです。
また、降格など雇用が劣化した女性は75万人という結果が出ました。体の不調が原因で離職をしたケースと合わせると、25%ぐらいになります。

 

更年期症状がある方々の4人に1人が、仕事やキャリアを諦めないといけない事態に陥っているということです。更年期は、とりわけ働く女性にとって大きな試練となっていると思います。

 

友利:更年期を迎える要因は、女性ホルモンの減少や枯渇です。女性ホルモンには、自律神経をサポートする役割があります。
女性ホルモンが枯渇すると、急に汗が出たり体がむくんだりすることがあります。 また、その影響で不安になったりイライラしたりすることも。眠れない、めまいが起こる、といった症状も現れます。

 

女性ホルモンは、生活習慣病を抑えてくれる作用もあるので、女性ホルモンが減ることで、そんなに太ってないのに中性脂肪が増えるということも起こりやすくなってくるんですね。
こうして起きるさまざまな不調をそのまま放っておくと無理がきてしまい、これまでと同じように仕事ができなかったりパフォーマンスが発揮できないということにつながってしまうでしょう。まずは、更年期を知る。受け入れる。そして必要な対策をする。これが大切だと思います。

「更年期が恥ずかしい」というフェーズは卒業しよう

中村:未奈子さん、どうして女性たちが仕事を諦めないといけない状況になっているのだと思いますか?

 

山本: 4人に1人の女性が更年期に悩んでるという結果でしたが、実際はもっといるのではないかと思うのです。更年期はタブー視されるトピックでもあり、話しにくい世の中なのではないでしょうか。

更年期に対する認識は、私たちが次世代のために変えていかないといけないと思っています。私は去年うつ病になったときに、このような状態で経営者として仕事を続けていくのはもう無理だと思っていました。でも、周りの人にオープンに話して理解してもらうことで、仕事を継続できたんですね。

更年期には終わりがあると知っていたことも、すごく大きかったと思います。だからこそ、更年期の知識が浸透すればと考えています。

 

友利:更年期を迎えることはネガティブなことではないですし、必ず終わりが来ますものね。

 

山本:更年期を次のステージへの転換期と捉えて「これからもっとハッピーに生きられる後半の人生が待っている」と、みんなで励まし合いたいですね。

 

友利:次の50年はホルモンに影響されない、フラットな楽しい時期が待っていると思うと、楽しみにもなりますよね。

 

山本:本当にそう思います。

 

中村:お二人のお話を伺って、変わらないといけないのは、もしかしたら私たち女性自身なのかもしれないと思いました。言っちゃいけない、我慢しなくちゃいけないって自分だけで抱えすぎないように。助け合ったり励まし合ったりしながらみんなで一緒に進んでいけることが明るい未来への一歩なのでは、と。

 

山本: 本当にそうだと思います。社会のせいにせずに、私たちが変わっていくのが一番だと思います。
一人ひとりが更年期についての知識を持って、ネガティブな意識を変えていくことで、社会もまたより良く変わっていくのではないでしょうか。

 

更年期からの50年間をどうやって美しく健やかに心地よく生きれるかを追求しながら、これからいろいろな製品やプロジェクトを展開していきたいと思っています。みんなで手を取り合って進んでいきたいですね。 本日はありがとうございました。

シンプリス/シンプリス ザ バランス代表

NY州認定ビューティーセラピスト/英国ITEC国際ビューティースペシャリスト

山本 未奈子 Minako Yamamoto

NYの美容学校 L’atelier Esthetiqueを卒業後、同校で教鞭を執る。拠点を日本に移し、2009年にMNC New York Inc.を設立。「(まずは)日本で一番女性を幸せにする」をミッションに掲げ、女性の活躍をサポートするため、ウェルネスブランド「SIMPLISSE/シンプリス」のほか、フェムテック事業やファッションブランドを展開する。また美容記事の監修や講演など美容の専門家としても多方面で活躍中。著書多数。

内科医・皮膚科医

友利 新 Arata Tomori

東京女子医科大学卒業。
同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。
現在、都内2か所のクリニックに勤務の傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を展開中。
美と健康に関する著書も多数。

HOME JOURNAL 10月18日は世界メノポーズデー。改めて考えたい「更年期」。