スキンケアからインナーケアまで幅広くビューティーを見つめ、正しい知識とケア方法を提唱してきたSIMPLISSEが、新プロジェクトとして「セクシャルヘルス」に挑戦しようと決めた一番の理由。それは、実は多くの女性が性にまつわる悩みを持っていると気づいたことでした。
美や健康に加え、人知れず悩んでいたコンプレックスへもっと前向きにアプローチできるようになれば、より豊かな人生を送ることができるはず──。そこで今回、女性ならではの悩みに真摯に向き合い続ける〈なおえビューティークリニック〉院長 喜田直江医師をお迎えし、「難しいからこそ考えたい。女性のセクシャルヘルス」について、MNC New York代表取締役 山本未奈子と、トークセッションを開催しました。
診察室に入った途端、
涙を流してしまうほど思い詰めてしまう女性も…
【山本】(以下「山」):喜田先生は2011年、婦人科形成専門の女性専用のクリニック「なおえビューティークリニック」を銀座に開業されたんですよね。婦人科形成専門という医院は日本ではまだ珍しいそうですが、どのような方がいらっしゃるのでしょうか?
【喜田】(以下「喜」):幅広い年齢の方が来院されており、ご相談の内容もデリケートゾーンのニオイ、乾燥、かゆみ、カタチそのものについての悩みや性交渉の際に痛みを感じる「性交痛」など本当に様々です。
山:日本ではまだまだ、特に女性が性について話題にすることは恥ずかしいというような風潮があり、親しい間柄ですら悩みを相談しづらいという現状がありますよね。
喜:そういった女性ならではの悩みを解決できる場があればいいなと考え開院したのですが、デリケートゾーンについて悩んでいる方は思っていた以上に多いと実感しています。
例えば、産後に膣が広がり椅子に座るたびに空気が入って音が鳴ってしまい恥ずかしい、年齢と共に性交痛がひどくなりセックスができなくなってしまった…、というようなご相談は本当に多いです。
また若い世代でも、デリケートゾーンへのコンプレックスからパートナーと良い関係が保てず自分への自信まで失い、人生そのものに対して後ろ向きになってしまっている方も少なくありません。
山:繊細な問題だけに私自身もどのように向き合うべきか戸惑うところもありましたが、今回SIMPLISSEがセクシャルヘルスにチャレンジしようと考えた理由のひとつがまさにその点でした。
私たちが叶えたい美しさは「自分がなりたい自分になる」こと。たとえ肌などにトラブルがなく体も健康であったとしても、もしも性にまつわる悩みを抱えていた場合、どこか自分を認められないのではないか…「自分らしい美しさ」とは何かを考えた時、セクシャルヘルスは避けて通れない問題だと感じています。
喜:誰にもどこにも相談できないまま何年も悩みを抱えている女性も多く、診察室に入って話し始めた途端、涙が止まらなくなってしまうほど思い詰めている方もいらっしゃいます。そんな方が治療を終え、「人生に対してこんなふうに前向きになれた!」と笑顔で報告してくれる姿を見ることは何より嬉しく、同時にそういった悩みを解決することの大切さを痛感します。
山:セクシャルヘルスについての正しい情報へなかなか辿りつけないことが、解決までの道のりをより遠く複雑にしているところがありますよね。
喜:そうですね。ご相談後に患者さんの人生が目に見えて変わっていく様子を目の当たりにし、正しい知識や、悩みを解決する方法があるということを広める情報発信自体も、とても大切だと感じています。
どんな悩みが多い?思わぬ原因と対策
山:実際、一般的な女性はどんな悩みが多いのでしょうか?
喜:一般的に一番多いのは「ニオイ」についての悩みです。もちろん何かの病気などの場合もありますが、大抵の原因は正しいお手入れができていないこと。毛はもじゃもじゃ、ヒダの間にアカがついたまま…まずは鏡でご自身のデリケートゾーンを見ていただき、毛の処理や正しいお手入れについてお伝えするようにしています。デリケートゾーンに対して日本では「見ちゃダメ、触っちゃダメ」とタブー視してしまうところがあり、正しい洗い方について教わる機会がないまま大人になっていますよね。まずは正しく洗うことで、ニオイの悩みはだいたい解決できると思います。
山:粘膜の経皮吸収力は皮膚の14倍と言われていますが、洗う際のソープは、やはりデリケートゾーン専用のものを使った方が良いですよね。
喜:私自身はボディソープで洗うとしみてしまうんですよね。ご自分で試してみて刺激などを感じるようであれば、専用のものを使うことをおすすめしています。気持ちよく洗えてきちんとお手入れできることが大切だと思います。
山:日本でもこの数年でデリケートゾーン専用ソープの種類が増え手に入れやすくなっていますよね。洗う際に注意するべきことはあるのでしょうか?
喜:基本的に膣の中は洗う必要はありません。ニオイを気にするあまり、毎日のようにビデなどで中まで洗ってしまう方がいらっしゃるのですが、膣には自浄作用があり強い酸性で保たれています。中まで水などで流すと膣内が中性になり自浄作用が落ちて逆効果になってしまいます。また毛は、なるべくならばない方が清潔さを保ちやすいと思います。
粘膜の乾きがニオイの原因に
山:実際、一般的な女性はどんな悩みが多いのでしょうか?
山:デリケートゾーンのニオイに関しては、粘膜の乾燥が原因となる場合もありますよね。
喜:40~50代になってニオイがきつくなったというご相談も多いのですが、それは女性ホルモンの低下によって膣が乾燥してしまうことが原因です。30代後半から女性ホルモンの分泌量が一気に落ち、粘膜も薄く硬くなり乾きやすくなります。膣内の粘膜が乾燥するということは、水分がなくなり自分で洗う力が少なくなるということ。すると雑菌が湧きやすくなり、ニオイがきつくなってしまいます。
山:今回改めて周りに聞いてみたのですが、同世代から多く挙がったのが性交痛などデリケートゾーンの乾きについての悩みでした。年を重ねると肌が乾燥するように粘膜も乾いてしまい、それが口や目の乾き、口臭などの一因にもなっているという事実は、まだあまり浸透していませんよね。
喜:女性の体はとてもデリケートなのでストレスが原因で潤わなくなることも多く、若い方でもニオイや性交痛に悩む方も少なくありません。ただ、肌や髪が若い時と変わっていくように、年を重ねれば膣も乾燥したり硬くなったりたるんだりします。
山:顔やボディは一所懸命保湿などケアをしているけれど、デリケートゾーンは何もしていないという方はまだまだ多いのではないかと思います。
喜:膣の健康は全身の健やかさにもつながることなので、きちんとケアすることは女性にとって非常に大切なことですね。
続く【後編】では、今すぐ自分で始められるデリケートゾーンのケアや子どもたちへの伝え方など、 これからの時代を生きる私たち女性が心がけたい「セクシャルヘルス」との向き合い方についてお伝えしていきます。
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NY州認定ビューティーセラピスト/ITEC国際ビューティースペシャリスト
山本未奈子(やまもと みなこ)
美容家、1975年生まれ。UCLロンドン大学を卒業後、NY州ビューティセラピスト、ワックスセラピストなど数々のライセンスを取得。NYの美容学校にて非常勤講師として務めたのち、2009年にMNC New York Inc.を設立。SIMPLISSE代表として、スキンケアの楽しさとインナーケアの大切さを伝える活動を行う。著書に『本当に知りたかった/美肌の教科書』(講談社+α文庫)ほか。 インスタグラム @minako_yamamoto
喜田 直江(きだ なおえ)
医師、1975まれ。京都府立医科大学卒業後、産婦人科にて多数の分娩&手術症例に携わり、形成外科の分野へ。大手美容整形クリニックにて美容外科&皮膚科の技術を習得。2011年に銀座に「なおえビューティークリニック」を開業。女性器の形成手術では日本でも有数の症例数を誇り、医師として活躍する傍ら、メディア出演や書籍の監修なども手がける。