風邪や花粉、新型ウイルスの台頭により、重要視されつつある「粘膜」のケア。実はとってもデリケートで、加齢やストレスによって簡単にバランスが崩れてしまうのはご存知ですか? 「シンプリス センシュアル ネンマク ケア」のリニューアルを記念し行われたトークセッション。前編に引き続き、今回は更年期の性トラブル&対処法について、産婦人科医の宗田聡先生&アナウンサーの政井マヤさんと共に、じっくり語り合います。
のぼせに発汗、イライラetc。
閉経前後の女性を悩ます、更年期の症状。
政井:ここまで「粘膜」の仕組みや、乾燥によって起こるデメリットについて伺ってきましたが、後編では加齢による「女性ホルモン」の減少が身体にどんな影響を及ぼすのか。更年期に起こるトラブルについて掘り下げていきたいと思います。
山本:更年期って疲労感や肩こり、のぼせ、気分の落ち込など、本当にさまざまな症状が出てきますが、すべての人に当てはまるわけではないのですよね?
政井:その中でも「粘膜」は興味深いテーマの1つ。今回のセッションでは、粘膜トラブルが女性のライフスタイルにどう影響するのか、宗田先生にじっくりお話を伺っていきます。
宗田:はい、個人差はすごくあります。一番多いのは、のぼせや発汗といった自律神経系の症状だと思いますが、イライラや腰痛、不眠、疲れが取れないという悩みもよく聞きますね。
政井:私、更年期にはホットフラッシュがあると思い込んでいたのですが、のぼせの症状が全然なかったのです。だから自分は大丈夫だと安心していたのですが、ホルモンの数値を測ってみたら「政井さん、もうかなり数値が下がっていますよ!」と指摘されて。知らない間に女性ホルモンは確実に減ってきているのだなと。
山本:先生、女性ホルモンの状態って血液検査でわかるのですよね?
宗田:はい。婦人科に足を運んでもらえれば、女性ホルモン値を測定できます。ただ更年期障害は、数値だけでなく、症状なども含めてトータルで判断しますので、まずは医師に相談してもらえればと思います。
山本:私も2年ほど前から急に生理不順になりました。全然こない時もあれば急にくる時もあったので、思い切って数値を測ってみたのです。すると「山本さん、更年期ですね」とはっきり言われて。女性ホルモンの分泌が全然なかったのです。
政井:すごくショックですよね。やはり45歳くらいになると、更年期に突入しているということになるのでしょうか?
宗田:一般的には「閉経を境に前後5年間」といわれているので、40歳から55歳くらいまでは含まれますね。
性の悩みをオープンにできない日本の風潮。
悩みを抱える女性が、とるべき行動とは?
政井:更年期にさしかかると、潤いが足りないことで起こる悩みって多いですよね。
山本:そうですね。ドライアイもドライマウスも、すべて粘液系のトラブルです。
宗田:腟の乾きが原因でパートナーとの性交痛に悩まれている方も、クリニックには多くいらっしゃいます。それこそ20年以上前は、40代になると子供が成人し夫婦関係が希薄になっている方が多かったので、切実な訴えが少なかったんですが、いまは40代も50代もアクティブな方が多いですから。
山本:素直に相談できる世の中に変化している反面、性交痛でわざわざ先生のところにお伺いするのも……とちゅうちょしてしまうのも事実だなと思います。
宗田:きっと僕のところに訪れる方は氷山の一角でしょう。パートナーに悪いなと思いながらも諦めて、クリニックに辿り着かない方のほうが大半だと思います。
山本:みなさん潤滑ゼリーなど、その場しのぎのアイテムに走りがちですが、それだと根本的な解決にならないんですよね。おまけに日本は、夫婦間のセックスの頻度が世界最下位だそうで。女性のQOL(生活の質)を向上していくためにも、私たちがいろいろとサポートしていきたいですね。
政井:年齢で区切って考えてしまうのは、本当にもったいないと思います。実は、もう一つ興味深いアンケート結果があります。「デリケートゾーンの悩みを、医師や家族・友人に相談したことがありますか?」の問いに、9割の方は「ない」と回答されていました。
宗田:女性同士ではそういった会話はあまりしないと聞きますね。自分でなんとなくネットで調べて、そのなかでどうにか解決しようと試みる。人によってはネット購入した腟に入れるお薬を誤って飲んでしまうとか。間違いは健康を害す原因にもなるので、本当に気をつけてほしいですね。
山本:自己判断は危険ですよね。あともう一つ聞きたかったのが、腟洗浄について。いろんな商品が出回っていますが、医学的な観点でいうとどうなのでしょうか?
宗田:基本的にはお勧めしないですね。膣の中にはいろんな菌がいて、バランスを保つことでバリアを張っているので、洗浄するとかえって環境が変わってしまい、余計症状が悪くなることもあるんですよ。
山本:その場しのぎのアイテムに頼るのではなく、悩みに真摯に向き合うことが大事ですよね。
宗田:身体を中から変えていく、根本的な処置をしていったほうがいいと思います。
インナーケアに目を向けることで、
粘膜の乾きは、根本的に解決できる。
政井:では最後に。今日からできる「粘液力アップ」の方法を伺っていきたいと思います。
宗田:よく患者さんに話しているのは、「おいしいご飯を食べて、睡眠をしっかりとって、ストレスなく笑顔でいること」。これが基本となります。
山本:本当にシンプルですね!
宗田:栄養素でいえばビタミンAや不飽和脂肪酸、ビタミンBを摂るといいですね。現代女性は忙しすぎて、三食ともコンビニのご飯や宅配サービスで済ませてしまうという方もいます。栄養バランスにもっと気を配っていただければと思います。
政井:他に気をつけるポイントはありますか?
宗田:血流がよくなるので運動もおすすめです。目薬や口内を潤す商品も売られていますが、どれも一時的なんですよね。ですので、ときにはサプリメントも取り入れて、食事だけでは補えない栄養素をプラスで摂取するのがいいと思います。
政井:インナーケアを選択肢として持っておくと、もっと前向きに生きられますよね。
宗田:みなさん何かあると「病気=薬で解決」っていう発想になるのですが、やっぱり不調は身体が発している自分へのサインなので、自分の身体の声をもっと聞き取っていただきたいと思います。
政井:ライフステージの変化に伴い新たな不調が出て、私たちの人生って本当に目まぐるしいのですが、女性として生まれた喜びを謳歌し、これから先の人生も輝いていたいですね。今日はいろんな知識が得られて、私自身とても勉強になりました。ありがとうございました。
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宗田聡
産婦人科医、医学博士、広尾レディース院長。筑波大学を卒業後、1997年より筑波大学講師として、臨床・研究 ・教育に従事。2003年から水戸済生会総合病院にて産婦人科部長、茨城県周産期センター長を務める傍ら、筑波大学産婦人科臨床准教授を兼任。2012年より広尾レディースの院長に。現在は茨城県立医療大学客員教授、筑波大学や慈恵会医科大学の非常勤講師を兼任。著書に『31歳からの子宮の教科書』などがある。
www.hiroo-ladies.com
政井マヤ
フリーアナウンサー。1976年生まれ。上智大学を卒業後、2000年にフジテレビに入社。『スーパーニュース』『笑っていいとも!』などを報道・バラエティ番組を担当。2007年からフリーランスとなり、ラジオパーソナリティ、コメンテーター、司会、モデレーターとして活躍。プライベートでは俳優 前川泰之と結婚、3人の子供がいる。『NHK 高校講座 世界史』にレギュラー出演中。
Instagram@masai_maya_official
山本未奈子
美容家。1975年生まれ。UCLロンドン大学を卒業後、NY州ビューティセラピスト、ワックスセラピストなど数々のライセンスを取得。NYの美容学校にて非常勤講師として務めたのち、2009年にMNC New York Inc.を設立。SIMPLISSE/シンプリス代表として、スキンケアの楽しさとインナーケアの大切さを伝える活動を行う。著書に『本当に知りたかった/美肌の教科書』(講談社+α文庫)ほか。
Instagram@minako_yamamoto