フェミニンエリア専用の美容液「センシュアル フェミニン デュオセラム」の発売を記念して行われた、SIMPLISSE代表 山本未奈子 ×「なおえビューティークリニック」喜田直江院長によるトークセッション。女性のセクシャルヘルス問題に切り込んだ前編に引き続き、中編ではデリケートゾーンの正しいお手入れ方法やケアアイテムの選び方など、トラブルを回避するために身につけておきたい基礎知識について掘り下げていきます。
ヘア処理や美容液もマスト!
デリケートゾーンの正しいケア
–:前回 の対談で、アンダーヘアも「臭い」の原因になるということでしたが、SIMPLISSEでは“NOヘア・LESSヘア”を推奨されているそうですね。
山本:はい。これは見た目の話ではなく、アンダーヘアがあると雑菌が繁殖する「暗い、湿っている、温かい」の3つの条件を満たしてしまうからなんです。ショーツで密閉されていると、さらに菌が繁殖しやすいですし。年齢を重ねて自分が介護を受ける際に、処理をしていた方が世話をしていただく方の手間が省け、自分自身も快適に過ごせるのでは、という意見も聞きます。
–:喜田先生のクリニックでもレーザー脱毛を勧めてらっしゃると思うのですが、そもそもレーザーって黒い毛にしか反応しないんですよね?
喜田:そうなんです。年齢を経てアンダーヘアに白髪が混じってくると、そこだけ脱毛されずに残ってしまうんですね。私のクリニックにも70代の方が脱毛に来られますが、半分くらい白髪だと完璧な処理は難しくて。だから白くなる前にレーザー脱毛を行うことをお勧めしています。
山本:エイジングによって、コンプレックスの内容も変化してくるということですよね。
喜田:年齢を重ねると膣の分泌物が少なくなったり、新陳代謝が落ちるで、デリケートゾーンの「臭い」や「黒ずみ」など、お悩みは増えていきますね。あと、女性器にも「たるみ」の現象が起きてくるんですよ。小陰唇が伸びてきたり、大陰唇が全体的に垂れてきたり……。
–:そうならないために、デリケートゾーンもエイジングケアを考えていく必要がありそうですね。
山本:そうですね。顔の肌よりも薄く繊細な肌なので、ぜひデリケートゾーンにも専用の美容液を使ってほしいですね。若い方の大陰唇っはふっくらしていて小陰唇がきれいに隠れていますが、年を重ねると潤いと膨らみなくなり、徐々にたるんでクッション性がなくなり痛みが出てくることもあるので。そういった状態を防ぐために、ぜひ早いうちからケアを進めてほしいと思います。
クリニックへ相談に行く前に
まずは自宅でのセルフチェックを
–:ホームケアでは、専用のソープでしっかりと洗うことが大切なんですよね。どこを気をつけて洗えばいいのか具体的に教えていただけますか?
喜田:はい。上の図を見ていただきたいのですが、一番汚れが溜まりやすいのは大陰唇と小陰唇の間にあたる谷の部分。小陰唇を内側にパタッと返すと溝があり、そこにねっとりとした白い垢が溜まっている方が多いので、その部分をしっかり洗うのが大事ですね。あとは陰核を覆っている皮膚も、ポケット状になっているため垢が溜まりやすく、重点的に洗っていただけると。人によっては小陰唇のヒダが重なっていることもあるので、形状に応じてどこに汚れがたまっているのかを確認し、毎回お風呂できれいに洗うのがいいのかなと思います。
–:デリケートな部位だけに刺激が気になるのですが、専用のソープや化粧品ってどんな商品を選ぶのがベストなんでしょう?
喜田:そうですね、デリケートゾーンって雑菌を排除するために、少し酸性よりの性質があるのです。そこをアルカリ性や中性のソープで洗ってしまうと、せっかくのバリア機能が失われてしまうので、弱酸性の専用のソープを使っていただくのがいいかと思います。あとは粘膜に近い部分ということもあり経皮吸収しやすいので、より安全な成分でつくられたものを選んでいただくのが大事ですね。
山本:デリケートゾーン専用のソープや化粧品って、理由があって存在していて。例えば顔にボディソープは使わないし、リップにはリップ専用のバーム使いますよね。喜田先生もおっしゃっていましたが、膣粘膜に近い部分ってほかの部位に比べて、吸収力が14倍にもなるんです。だからこそ信頼できるアイテムを選びたいですし、悩み別にきちんとアプローチできる専用の化粧品を使っていただきたいですね。
–:確かに安全性は気になりますね。では「黒ずみ」とか「たるみ」の改善として、顔に塗る美容液のようなアプローチってあるのでしょうか?
山本:「黒ずみ」は毎日の摩擦によって起こるので、メラニンの生成を抑える成分が入っている美容液がおすすめです。たるみに関しては、エラスチンやコラーゲン不足によって起こるので、そういった成分を補う美容液を毎日のお風呂上がりに使ってもらうのが効果的ですね。でも、ホームケアで改善できない悩みが出てくる場合は、クリニックを訪ねて相談いただくと良いと思います。
喜田:「黒ずみ」に関してだと、ケアでどうしようもならない場合は、クリニックでピーリング治療を行うことができます。大陰唇の「たるみ」に関しても、最初はセルフケアが大事ですが、それでも無理な方には、クリニックでウルトラヴェラの照射やフィラー注入、大陰唇縮小手術などの治療することも可能ですね。
加齢で悩みも変化する?!後編 では性交痛や膣の若がえり法についてトーク!
NY州認定ビューティーセラピスト/ITEC国際ビューティースペシャリスト
山本未奈子(やまもと みなこ)
美容家、1975年生まれ。UCLロンドン大学を卒業後、NY州ビューティセラピスト、ワックスセラピストなど数々のライセンスを取得。NYの美容学校にて非常勤講師として務めたのち、2009年にMNC New York Inc.を設立。SIMPLISSE代表として、スキンケアの楽しさとインナーケアの大切さを伝える活動を行う。著書に『本当に知りたかった/美肌の教科書』(講談社+α文庫)ほか。 インスタグラム @minako_yamamoto
喜田 直江(きだ なおえ)
医師、1975まれ。京都府立医科大学卒業後、産婦人科にて多数の分娩&手術症例に携わり、形成外科の分野へ。大手美容整形クリニックにて美容外科&皮膚科の技術を習得。2011年に銀座に「なおえビューティークリニック」を開業。女性器の形成手術では日本でも有数の症例数を誇り、医師として活躍する傍ら、メディア出演や書籍の監修なども手がける。